狂犬病発生国への旅行は比較的スムーズで行きやすいのですが、
それ以外の狂犬病のないとされている国への旅行はスムーズではないことがあります。
ペットと海外旅行に必要なこと〜出国まで〜
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ペットと海外旅行に必要なこと〜出国まで〜
ペットと海外旅行、考えたこともないですよね? 海外に行くよりも日本に帰ってくることが大変。というイメージがありませんか? 必要に迫られなけれ ...
※この記事でいう「ペット」という表現は「犬猫」を表現しています。
狂犬病清浄国とは?
日本で定められている狂犬病清浄国とは、
オーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、
フィジー諸島、グアム、ハワイの6カ国です。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0176.jpg)
この6カ国は海外から日本へ輸入するのが大変なのと同じように、
入国に必要な書類、検疫があります。すべてが、機内持ち込みはできず、
貨物室での輸送でのみ入国可能になります。
ペットと一緒に旅行できる狂犬病清浄国は3カ国!
短期間の旅行が現実的な3カ国がこちらです。
ハワイ
グアム
フィジー諸島
到着後にすぐに検疫施設に連れていかれるため、機内持ち込みができません。
飼い主さんと同じ飛行機ですが、受託手荷物として、温度管理された
貨物室での輸送になります。
この3カ国の旅行に必要な準備は通常の海外旅行同様で、
マイクロチップ、狂犬病予防接種2回、狂犬病抗体価検査です。
必要な事前準備
①マイクロチップの装着
②狂犬病ワクチンの接種(マイクロチップ装着当日もしくはそれ以降のみ有効)
③狂犬病ワクチン2回目接種
②のあと、30日以上、1年以内に再接種が有効。生ワクチンは無効です。
④狂犬病抗体価検査/採血
③のあと、1〜2週間後程度、日本が指定する検査施設で狂犬病抗体価検査を行う。
血清1mlあたり0.5IU以上でクリアです。検査結果は採血日から2年間有効です。
ハワイ旅行 with ペット
ハワイへ日本から犬猫を連れて行く場合
ハワイは狂犬病抗体価検査後30日以上の日本での待機が必要です。
健康診断書にノミダニ予防の記録が必要です。※レボリューション不可
グアム旅行 with ペット
グアムへ日本から犬猫を連れて行く場合
グアムとフィジー諸島は、混合ワクチンの証明書が追加で必要です。
グアムは健康証明書にフィラリア予防とノミダニ予防を入国14日以内にした証明が必要です。
犬に必要な混合ワクチン
犬ジステンパーウイルス
犬伝染性肺炎ウイルスまたはアデノウイルス2型
犬レプトスピラ症
犬パラインフルエンザ
犬パルボウイルス感染症
犬ボーダテラ(ケンネルコフ)
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0176.jpg)
ボーダテラ(ケンネルコフ)ワクチンは日本にはない!
ここで補足ですが、ボーダテラワクチン(ケンネルコフ)は、
日本にはないのです!
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0168.png)
というのもケンネルコフは病原菌が多すぎるため特定のワクチンが
ないという考えなようです。
さらに、パラインフルエンザ、ジステンパーウイルス、アデノウイルス2型で
予防できると考えるようで、ケンネルコフ単体のボーダテラワクチンがないのです。
グアムに旅行に行く際はグアム側にその旨相談する必要があります。
猫に必要な混合ワクチン
猫汎白血球減少性ウイルス(伝染性腸炎)
猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス1)
猫カリシウイルス感染症
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0176.jpg)
フィジー旅行 with ペット
日本からフィジーへ犬猫を連れて行く場合
フィジー諸島へ入国の際は、事前にフィジー諸島の検疫所とのやりとりが必要です。
混合ワクチンの接種が必要です。
フィジー入国禁止の品種
ドゴアルヘンティーノ
フィラブラジレイロ(ブラジリアンマスティフ)
土佐犬
アメリカンピットブルテリアまたはそれらの品種の雑種
サーバルキャット
サーバルキャットのミックスおよびサーバルキャットの5世代以内のミックス
生後4ヶ月未満の犬と猫、妊娠21日を超える個体
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0168.png)
業者の代行が確実
以上の3カ国は事前に連絡を取り合い、書類を集めて提出すれば
当日中の入国が可能です。
しかし、この事前の書類集めがうまく進むのかが問題です。
日本の検疫所以外にも現地とのやりとりになりますので、
どの程度スムーズに行くかがわからない部分があります。
必ずしも相手国の職員が丁寧に対応してくれるとも限らないため、
ハワイは経験のある輸入代行の日本人の会社がありますので、
輸入代行を利用するのが確実です。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0178.jpg)
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0168.png)
ペットと旅行はできない3カ国
現実的ではない国が3カ国はこちらです。
オーストラリア
ニュージーランド
アイスランド
オーストラリアに犬を連れて行く
オーストラリアに日本から犬を連れて行く場合
オーストラリアは入国前に検疫施設に最低10日係留されるため、
犬の係留施設の予約が必要です。
ノミダニ予防やエーリキア症、ブルセラ症、リーシュマニア症の検査が必要です。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0175.jpg)
オーストラリア入国禁止な犬種
チェコスロバキアンウルフドッグ、サーロスウルスドッグ、サーロスウルフハウンド、
ドゴアルヘンティーノ、フィラブラジレイロ(ブラジリアンマスティフ)、
土佐犬、アメリカンピットブルテリアまたはピットブルテリア、プレサカナリオ
オーストラリアに猫を連れて行く
オーストラリアに日本から猫を連れて行く場合
オーストラリアは入国前に検疫施設に最低10日係留されるため、
猫の係留施設の予約が必要です。内部寄生治療やノミダニ予防が必要です。
ニュージーランドに犬を連れて行く
ニュージーランドに日本から犬を連れて行く場合
ニュージーランドも入国前に検疫施設に最低10日係留されるため、
犬の係留施設の予約が必要です。
バベシア症・ブルセラ症の検査、混合ワクチン、フィラリア予防、ノミダニ予防、
内部寄生虫治療、犬の可移植性性器腫瘍の検査が必要です。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0175.jpg)
輸入代行業者(ペットトランスポーター)の利用を勧めています。
航空会社によっては代行業者からの予約のみ受け付けていることもあるそうです。
ニュージーランドに入国禁止な犬種
オオカミのハイブリッド、ドゴアルヘンティーノ、
フィラブラジレイロ(ブラジリアンマスティフ)、
土佐犬、アメリカンピットブルテリア、プレサカナリオ
妊娠42日以降の犬も入国できません。
ニュージーランドに猫を連れて行く
ニュージーランドに日本から猫を連れて行く場合
ニュージーランドも入国前に検疫施設に最低10日係留されるため、
猫の係留施設の予約が必要です。
混合ワクチン、外部規制中と内部寄生虫の駆除が必要です。
輸入代行業者(ペットトランスポーター)の利用を勧めています。
航空会社によっては代行業者からの予約のみ受け付けていることもあるそうです。
ニュージーランドに入国禁止な猫種
サバンナキャットやサーバルキャットなどのハイブリッド猫。
ベンガル猫を輸入するには5世代の血統書など文書が必要です。
妊娠42日以上の猫も入国禁止です。
アイスランドに犬を連れて行く
アイスランドに日本から犬を連れて行く場合
アイスランドも入国前に検疫施設に14日係留されるため、
係留施設の予約が必要です。
混合ワクチンの接種や、ブルセラ症、リーシュマニア症、
ノミダニ予防、フィラリア予防が必要です。
アイスランド入国禁止の犬種
10世代のオオカミと犬の雑種
ピットブルテリア、スタッフォードシャーブルテリア、フィラブラジレイロ、
土佐犬、ドゴアルヘンティーノ、プレサカナリオ、の5世代にわたる雑種
その他の犬種でもアイスランド検疫局が拒否する場合があります。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0168.png)
アイスランドに猫を連れて行く
アイスランドに日本から猫を連れて行く場合
アイスランドも入国前に検疫施設に14日係留されるため、
係留施設の予約が必要です。
混合ワクチンの接種や、猫白血病ウイルス検査、猫免疫不全ウイルス検査、
内部および外部寄生虫駆除、ノミダニ予防が必要です。
負傷または手術を受けた猫で、特別な監視が必要な猫と、
妊娠中及び、授乳中の猫は入国できません。
気軽な旅行には向きません
この3カ国は、日本から犬猫を連れて行った場合、現地で
10日〜14日の係留検疫が必須となるため、旅行で行くには現実的ではありません。
ブルセラ症などの検査は、何日も要することが多いため、
準備するだけでもものすごく時間もかかります。
短期間の旅行でここまでするのかどうかと思うとしないですね。
![](https://petsenmonka.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_0168.png)
お引越しなどの場合は係留検疫を最低10日間通す必要があります。
オーストラリアやニュージーランドは日本からも近く行きやすいのに、残念です。
おわりに
オーストラリアとニュージーランドは今まで一度も狂犬病が
発生していない国なため、日本のように、何十年発生していないのとは
意味合いが違います。
オーストラリアとニュージーランド間のペット連れ旅行はとてもスムーズです。
オーストラリアやニュージーランドに旅行の際は、信頼できる場所にペットを
預けて行くほうが良さそうですね。
帰国の際に必要なことは、こちらの記事でご確認くださいませ!
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ペットと海外旅行に必要なこと〜帰国準備〜
さてさて、ペットと海外旅行をするにあたり、1番のハードルである、帰国準備です。 この準備が終わってこそ、旅行を本気で楽しめるといっても過言で ...